特報! テニスジャーナル責任編集【発売先行テスト】!【Type J】はEXO3のイメージを一変させた!

こんにちは! テニスジャーナル編集長の松尾高司です。今回、【プリンス】から現行インターナショナルモデルの「ジャパンスペックモデル」が発売されるという噂を聞きつけ、交渉の結果、発表前に試打テストさせてもらうことに成功。
「日本人の好みに合わせるスペック変更」と聞いてはいたが、ここまで徹底的な改造を受けているとは予想もつかなかった……。さて、その内容とは?

「日本人のインパクトイメージを再現!」 その名も【Type J】

日本人に向けたスペックの変更……じつはよくある話で、フレーム重量やバランスなどは、欧米で発売されるものよりも、軽くて操作しやすい数値に変更されて発売されていることはよくあります。これらを通称「ジャパンスペック」と呼んだりしていますが、今回の【プリンス】の【Type J】は、単なる数値スペック調整ではなく、素材レイアップ(構造・組み合わせ方)を根本的に再検討を加え、日本のプレイヤーが好む打球感に最適化させたというのです。
【プリンス】では現在、【EXO3】構造という最先端のフレーム構築テクノロジーが世界共通モデルに採用されていますが、構造的にフレームがとても頑強で、インパクトではストリング面のたわみ→戻りのバネ効果パワーを発揮するという特徴的な打球感を好まないというプレイヤーもいて、「プリンスは硬いから……」と手を伸ばさないプレイヤーがいたのも事実でしょう。そこで【プリンス】は、日本人が幅広く描いているインパクトのイメージを細かく分析し、それを実現させるために大胆とも言える構造改革に取り組みました。

【Type J】はここが違う!

ということで【Type J】の内容について訊ねてみると、企画担当の相馬安紀氏は「今回の変更は、フレームのカーボン素材組み合わせまで手を入れて、これまでのインターナショナルモデルにはない新しいインパクトシステムを構築しているので、単純なスペック変更とはまるで違います。【EXO3】は構造上、フェイス部分は打球方向へのしなりがとても小さく、それがシャープな打球感として評価されてきました。日本人プレイヤー、とくに競技志向の強いプレイヤーは、『打球を掴む感覚』を重視するため、しならない分を『フレームのたわみ方のコントロールによって掴む感覚を実現』しました」と話してくれました。
インパクトの瞬間、フェイスを正面から見て上下左右のフレームが内側にグッと入り込み、斜め上下が膨らむ……わかりやいように極端な言い方をすると、楕円形のフレームが一瞬、長方形っぽくなって、すぐに元に戻るのです。このたわみ変形によって、プレイヤーがイメージするインパクト、「ストリングのたわみ→戻り」+「フレームのたわみ→戻り」を実現し、さらにそれを絶妙なレベルでシンクロさせたのが【Type J】なのです。

操作性とパワーのバランスがいい【SW285】に設定

ショナルモデルは、パワー増大を重視するため、やや操作感が重かったところがあります。 これまではスウィング動作で感じる重さを「フレーム重量」と「バランス」で予測していましたが、最近では「スウィングウェイト」という数値が、スウィングのしやすさとパワー伝達効率を表わすようになっています。この数値はテニスラケットがスウィングされるときの慣性モーメントのことで、「スウィング時に受けるラケットの慣性モーメントの大きさを、手の中のひとかたまりの重さとして表示」したものです。これが大きければパワー伝達効率が高い反面、操作性が低く、数値が小さければ扱いやすいけれどもパワーが伝わりにくいことを表わします。
【EXO3 TYPE J】 シリーズでは、すべてのモデルのスウィングウエイトを、一般的にパワー伝達効率と操作性のバランスがもっともいいとされている「285」に高い精度で設定しています。扱いやすくなることによって、スウィング→インパクトが自分のイメージと一致しやすく、結果的にコントロール精度を上げることにつながってゆくわけです。
ではテニスジャーナルの試打テスターを15年間務めていただいている谷口勇美雄氏(BTL)の試打リポートをまじえて、各モデルについて語っていこう。

FEELING IMPRESSION

EXO3 GRAPHITE 100S

【プリンス グラファイト】は、そのコンセプトとネーミングが現在でも守り抜かれている唯一のロングセラーモデルであり、さまざまな派生モデルを生んできました。【EXO3 グラファイト】はその最先端モデルであり、最強ハードスペックと言えるセッティングです。ただそれゆえに、日本人のパワーレベルでは、なかなか思いのままに使いこなせるわけではなく、かなり限定されたプレイヤーのためのものでした。
谷口テスターも「とても剛性感が高くて、ボールをダイレクトにしっかり掴まえてから前に打ち出す感覚はあって、打球はしっかり出ていくんだけれども、打ち抜いている感覚にやや欠ける」と評価していました。
そして【Type J】を試打すると「従来モデルよりも素直になっている感覚があって、打球の弾道も通常モデルよりやや低くなっているイメージがある。いかにも速いペースのプレイヤーにフィットさせてあり、そんなプレイヤーが使えば、つねに一定の感覚を保って打つことができるモデルだ。インパクト時のアクションを素直に感じるのは、フレーム自体のたわみが生まれたからで、とても扱いやすくなったと思う」と語っていました。

EXO3 IGNITE PRO 98

現在、ラケット市場におけるボリュームゾーンにある【EXO3 イグナイト】にも、【Type J】が登場しました。インターナショナルモデルでは【イグナイト98】&【イグナイトプロ95】の2サイズ展開。それぞれについて谷口テスターの印象は「【98】はフレーム剛性が高く、当たりが軽くて、飛距離が出るようなタイプのラケットで、【95】は、少しグリップして、それが解放されるようにパワーが発揮されるタイプのラケットだと思う」でした。
【Type J】では【イグナイトプロ98】となりますが、このネーミングこそまさに打球感を言い当てていたのです。
谷口テスター曰く「【Type J】は、操作性としては【98】に近く、打球フィーリングは【98】と【95】の中間的な構成で、インパクトでは軽く乗って、素直に打球が出ていく感じの仕上がり。言い方を換えれば【98】よりも打ち応えが増し、【95】よりも操作感が向上したことで、とても楽になってコントロール感も上がった」というものでした。
この「楽になった」という一言ですが、それは「SW285によって操作性が向上した」ということもありますが、もうひとつの意味があるのです。それはインパクトでのボールの「接触時間」→「離れていくタイミング」がプレイヤーが持っている時間的イメージと一致し、イメージとのギャップ修正というストレスがないので、直感的に打ちやすいラケットに仕上がっている……ということなのです。

EXO3 BLACK 104

さて、【EXO3 ブラック】にも【Type J】が登場します。インターナショナルモデルでは、「ダブルスに最適」という謳い文句でしたが、スウィングウェイトがけっこう重めで、とても速い展開になってしまうとじつはちょっと辛い状況でした。谷口テスターも「ラケットが打点に到達するまでに時間がかかり、ボールにぶつけていくと、イメージよりも飛び出しが速くて飛びすぎになってしまったりするので、どうしても回転をかけてコントロールする傾向がある」とコメントしていますが、【Type J】ではこの印象がガラリと変わっています。
「スウィングウェイトが軽くなっているので操作性がとても高くなっている。現実のインパクトが、プレイヤーがイメージするスウィングやインパクトポイントとのギャップが少なくて、とてもコントロールしやすくなっている。ボールを掴んで、フレームのしなりを感じながらボールを打ち出す感覚があるため、スピン系ショットではなくスクエアめにインパクトしてもすっぽ抜ける(予想外の飛びをする)ことがなく、コントロールできる。【Type J】は、スピン量の多い弾道に頼らず、もっと推進力を与えられるドライブ系弾道を選んでもしっかりコントロールできるため、スウィングの幅が広がった」と話してくれました。
さらに、「スウィングウェイトが軽く、操作性が向上したため、これまでよりも【Type J】のほうがしっかりした手応えを感じて、ダイレクト感が出てきたため、コントロール性も上がっている」ともコメントしています。